スマホが原因の老眼
若年世代に増えるスマホが原因の老眼
近年、小・中学生は6~7割、高校生は9割がスマートフォンを持っていると言われています。スマホはいまや私たちの生活に欠かせないアイテムの一つですが、一方で「スマホ中毒」「歩きスマホ」といった負の現象も生まれています。「スマホ老眼」もその一つ。
10~20歳代の若い世代に増加しているスマホ老眼は、「スマホから目を離して遠くを見ると、物が見えにくい」「目が疲れやすい」など、老眼の方が訴えるような症状と同じです。長時間、スマホを至近距離で見続けると、目の毛様体筋が凝り固まり、ピント調節がうまくできなくなります。
スマホ老眼が進むと、視線を遠くから近くへ、または近くから遠くへ移したとき「目がかすみ、ピントが合うまでに時間がかる」といった症状が起こるうえ、目の疲れ、肩こりなどを訴えることもあります。
さらに大人になるまでに強度近視になると、将来、緑内障や網膜剥離など失明のおそれのある病気のリスクが高まります。
スマホを見るときは40センチ以上あける
ピント調節機能の不全が長く続くと、近視化する傾向があるので注意が必要です。予防するためにはスマホと目との距離を40センチ以上あける、画面を見続けたら定期的に目を休める、目薬を活用するなどの対策をしてください。スマホやゲームに熱中しているお子さんへの注意も忘れずに行いましょう。
30~40歳代からの老眼は「大人の証」!?
リアル老眼は、早い方では30歳代後半から症状が現れます。老眼はだれにでも起こり、避けて通れませんが、なかなか認めたくない気持ちもあります。しかし我慢して、老眼鏡を使わずにいると目や頭が重い、頭痛や肩こりといった体の不調が出る場合があるので要注意です。調節力のある若いときは焦点を合わせるための筋肉が働いてくれますが、40歳過ぎになると、筋力が衰えてきます。その結果、近くのモノが見えにくい、ピントを合わせるのに時間がかかるなど、いわゆる“近くが見えない”という状況を招きます。症状に気付いたら、先延ばしにせず眼科受診をしましょう。老眼は病気ではなく「大人の証」なのです。
なお、スマホ老眼の典型的な症状は若年層に多く見られますが、毛様体筋の疲労がもたらす目の不調は中高年でも起こります。スマホの影響が、加齢による老眼と重なれば、より強い目のかすみ、疲れ目などを起こし、老眼を加速する可能性もあります。