白内障手術後は見えるようになるの?
白内障以外に眼の病気がない場合、多くは手術翌日からよく見えるようになります。回復しない場合は手術の影響で角膜に一時的なむくみや、眼内レンズを通した見え方に脳が慣れていないことが考えられます。また、黄色く濁っていた水晶体を取り去ったことで、光が眩しく感じたり、青みがかって見えたりすることも。これらの症状は最初こそ気になりますが、長くとも数か月程度で気にならなくなるでしょう。
手術後に気をつけることは?
手術後に気をつけることは、眼にばい菌が感染しておこる眼内炎を起こさないことです。最悪の場合、失明にも至る病気なので注意が必要です。予防のために抗菌薬や炎症を抑えるステロイドの点眼薬を処方することが多く、1週間程度はそれをしっかり使いましょう。また、むやみに眼のあたりを触ることでも感染のリスクが高まります。眼を強くたたいたり、擦ったりといった刺激になることは避けましょう。
感染症以外に術後の合併症はありますか?
手術後、数年以内に視力低下や目のかすみが生じる「後発白内障」という病気があります。白内障手術は水晶体が入っていた袋の後面の膜(後嚢)を残してレンズを入れますが、この膜が白く濁ることで後発白内障を招いてしまうこともあります。この場合、レーザーを使うことで問題なく治療することができます。
また、手術後に長期間経過して眼の組織がもろくなり、一度入れた眼内レンズが傾いたり外れたりするレンズ脱臼が生じることも。こちらは再び手術をして新しく交換しなおすことが治療として挙げられます。
単焦点レンズと多焦点レンズの見え方の違いは?
単焦点レンズはある1点に焦点距離を合わせたレンズ、多焦点レンズは複数の距離に焦点を合わせたレンズのこと。たとえば単焦点レンズを使った場合には手元をよく見たいときに老眼鏡を使う必要があります。近くに合わせた場合は遠くを見るために近視用眼鏡を使う必要も。一方多焦点レンズは、近くと遠く両方同時にピントを合わせることも可能で、術後に眼鏡を使用しないで済む可能性が高いでしょう。ただし多焦点レンズは、夜間に信号や月など明るいものを見ると周囲に光の輪のようなものが現れるハロー現象や、車のヘッドライトなどの強い光がぎらついて見えるグレア現象というものが起こることがあります。この点では夜間に運転することが多い方にはやや不便なレンズであるかもしれません。